第26回 ATP賞テレビグランプリ2009 新人賞受賞者インタビュー

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阿由葉 聡子さん     テレビ制作の“魅力”って?
──気軽に見ていたもので人生が狂いました(笑) 阿由葉聡子さん写真 今回の「GAP THE BAG」は賛否両論の感想がもらえるものにしたいと思いつくりました。ぱっと見て面白い番組も魅力的ですが、半日考えて何かの瞬間に「あ、そうだったのか!?」って思い出してもらえるようなものが、中にはあってもいいと思っています。でも、見た人から訳がわからないと言われると、説明したくはなります。まだまだ肝が据わっていないんです(笑)。中学生の時に見ていたドラマに憧れたことでこの仕事をしていると考えると、初めてつくったドラマで賞をいただけたことはとても嬉しいし、ありがたい。一緒につくった仲間、お世話になった方々には心から感謝しています。

阿由葉聡子さん写真 ただ、就活をした頃は色々悩んでいました。大学院に進もうかとも考えましたし、全く別の業界に行ったり、フリーターになっていた可能性もありましたから(笑)。面接って、自分はいったいどれだけのものか、客観的に評価されますよね。そうすると、自分の薄っぺらさを目の当たりにしなければならなくて、辛かったですね。

悩んだ中でこの仕事を選べたのは、憧れを持ち続けることが出来たことと、独りで突き詰めて何かをつくるより、大勢で議論しながら一つのモノをつくり上げていくことが好きだったからなんです。入社直後の大変な時期も、同期が多かったことが助けになりました。あの頃は先輩の言っている言葉の意味すらわからなくて、もうとにかく毎日のことに追われるだけでした。でも、皆文句言いながらもやってるし、自分も頑張るかって、自然に励ましあっていたのかもしれません。

──2週間後に -30℃の極北の地に行ってきます。 阿由葉聡子さん写真 入社して3年過ぎたくらいから少しずつ自分のことがわかってきて、力を抜くところは抜いて出来るようになりました。今はこの仕事がめちゃくちゃ楽しいです。仕事と遊んでるみたいな感じですね(笑)。

番組の取材を通じてパスポートを増刷するほど色んなところに行きました。特にアマゾン川を遡ってシピボ族に会いに行ったときのことは思い出深いですね。現地の人と一緒にワニを捕まえに行って、そのワニを丸焼きにしてくれたんです。東京にいたらちょっと身構えるかもしれませんが、シピボ族の方々にとってはご馳走ですし、こういうのも仕事の醍醐味ですからありがたくいただきました(笑)。人には二種類あると思うんです。一つは、目の前に出された物が何であるか聞いてから食べるかどうかを判断するタイプ。もう一つは、とりあえず食べてから何であったかを聞くタイプ。私はこの仕事を始めてから、完全に後者になりました(笑)。

──大切なのは情報の幅を狭めないこと。 阿由葉聡子さん写真 よく思いますが、無料で見られるテレビの普及率って凄いじゃないですか、真剣に見ている訳でなくても生活の一部にテレビがある。それを面白がらない手はないと思っています。興味のないものは見てもらえないかもしれませんが、チャンネルを選ぶ中、どこかでひっかかるチャンスもあるかもしれない。そんな時にグッとくるものを伝えたいですね。自分のアンテナが届かなくても、誰かのアンテナが知らせてくれる。それもテレビを見る面白さの一つだと思うので、自分の幅を狭めず色んなものをつくっていきたいですね。

現在はAD業務の合間にドラマのシナリオを書いたりしています。今まではチャンスを与えてもらってきましたが、今後は自分でチャンスを作れるよう頑張りたいです。
写真:たばた まみ
阿由葉聡子さん写真
阿由葉 聡子さん(2005年入社)
アシスタントディレクター/ディレクター
(株)テレビマンユニオン


「ATP賞テレビグランプリ2009」新人賞受賞
受賞作:私が初めて創ったドラマ「GAP THE BAG~バッグをはさんで~」の演出
(2009年3月放送/NHK BS-hi)

ドラマ「GAP the BAG」は、離婚した夫婦が満員電車の中で偶然再会するところから始まる。3年ぶりに気まずい会話を交わす二人と、その会話に耳を傾ける乗客たちの物語。
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