はい。2011年秋放送予定分の撮影のため1ヶ月間旧ユーゴスラビアに行き、4日前に帰国したところです。
今はラッシュと言って、撮影してきた映像を全て見直す作業をしています。
1ヶ月で40分のテープ112本と、50分のSDカード34枚分の撮影をしてきたので、けっこうな時間になりますね。
リサーチに約2ヶ月、ロケに約1ヶ月、編集に約3ヶ月。それが基本的な流れです。
僕は昨年放送されたオーストリア篇で初めて「世界の車窓から」に参加したので、
今回が2回目の演出なんです。
最初に演出の話が来た時は、まさか自分が担当するとは思っていませんでしたので驚きましたね。
この番組をつくるためには、時刻表が命なんです(笑)。
そんな番組は他にはなかなかないと思いますので、そういう意味では「世界の車窓から」ならではかもしれません。
最初にプロデューサーが、どこの国を取り上げるかと、大まかなルートを決めます。その後、詳細なルートや撮影スケジュールを考えていきます。
メインルートの他にも蒸気機関車などの保存鉄道や、景色のきれいな短い路線などが見つかれば、じゃあそのルートを周るためにはどの電車を乗り継げば良いかということを、時刻表を見ながら延々と考えていくんです。
ロケは基本的には、ディレクターとカメラマン、ビデオエンジニアの3名に、現地のコーディネーターとドライバー、国によってはADが同行し、5~6名で行います。
撮影手順としてはまず車内を撮影し、駅に着いたら車で戻って電車の外観を撮影するというのが基本スタイルになります。
ただ、電車が時刻通りに来ないこともありますので、なかなか予定通りには進みません。
リサーチで決めていたとしても全く違ったイメージになることも多く、何をどう撮るか、現地での判断が重要になります。
リサーチの段階からこうなったらいいなという編集イメージは持っているんですが、撮影している時のイメージがやっぱり一番大事ですね。
あとはラッシュで映像を見直した時に「ここはこういうテーマでいけるな」とか、「ここはこうやってまとめよう」とか考えて編集作業に入ります。
この番組では、ナレーションを書いて音楽を付けるのも、ディレクターの仕事なんです。
僕自身は、その国を旅する“旅感”というものを大事にしています。
番組を見た方が、「あ、この景色いいな」とか、「この国に行ってみたいな」とか思ってもらえる様に、その国ならではの何か、あるいは旅ならでの何か、
心に引っかかる何かを2分の中に入れたいと思っています。
そういった鉄道以外の部分も楽しんでもらえているので、多くの方に見てもらえているのではないでしょうか。
視聴者の方には自由に見てもらって、見ている人それぞれに楽しんでもらえたら嬉しいです。
そのためには、電車のリサーチだけでなく、その国の歴史や地理、風土など基本的な知識の勉強が必要なんです。
中には今回行った旧ユーゴスラビアの様に、非常に複雑な歴史を持った国もあります。
その国をフラットに伝えるためには、まず自分が理解していないとナレーションも書けませんからね。
電車に乗って撮る。
言ってしまえばただそれだけのことかもしれませんが、その中からいくつもの物語を作るためには、どういう風に物事を見ていくかということが大事なんです。
現場で見たもの、聞いたことを、どういう風に見たらこの場面は素敵なのか、この人の言っていることが胸に入ってくるのか。
そう考えていく中で、物事の見方の幅が広がりましたね。それはどんな番組をつくるにも役立つことなので、番組のつくり方の幅が広がったと思っています。
あとは、皆が知っている番組なので家族が喜んでくれていることでしょうか(笑)。
やっぱりテレビは影響力が凄く強いメディアだと思うんです。
以前「NONFIX」という番組の中で、難病と闘う友人の姿を追ったドキュメンタリーをつくったことがありました。
彼の生きる強い力にもの凄く感銘を受けて、なんとかこれを伝えなくてはいけないと思ってつくり始めたのですが、放送後に視聴者の方からハガキが届いたんです。
その方は障害を持つ子供の親御さんで、大変な苦労をされているという事だったのですが、「番組を見てとても勇気付けられた」ということが書かれていました。
それを読んだ時に、これがテレビの力かなっていうのは思いましたね。
テレビは何かを変える力、言い換えれば何かを変えてしまう力があると思います。
とても危険なところがあると思いますが、それをちゃんと自覚して、少しでも良い方向に物事を変えていければいいなと思っています。
まだまだ未熟者ですので、これからもっと勉強して、ジャンルに拘らず、誠実な番組をつくりたいと思っています。
あとは、とんでもなくおバカな番組もつくってみたいですね(笑)。
取材・文 町田弘行
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> 「テレビのチカラってナンダ!?」第3回
今はラッシュと言って、撮影してきた映像を全て見直す作業をしています。
1ヶ月で40分のテープ112本と、50分のSDカード34枚分の撮影をしてきたので、けっこうな時間になりますね。
僕は昨年放送されたオーストリア篇で初めて「世界の車窓から」に参加したので、
今回が2回目の演出なんです。
最初に演出の話が来た時は、まさか自分が担当するとは思っていませんでしたので驚きましたね。
そんな番組は他にはなかなかないと思いますので、そういう意味では「世界の車窓から」ならではかもしれません。
最初にプロデューサーが、どこの国を取り上げるかと、大まかなルートを決めます。その後、詳細なルートや撮影スケジュールを考えていきます。
メインルートの他にも蒸気機関車などの保存鉄道や、景色のきれいな短い路線などが見つかれば、じゃあそのルートを周るためにはどの電車を乗り継げば良いかということを、時刻表を見ながら延々と考えていくんです。
ロケは基本的には、ディレクターとカメラマン、ビデオエンジニアの3名に、現地のコーディネーターとドライバー、国によってはADが同行し、5~6名で行います。
撮影手順としてはまず車内を撮影し、駅に着いたら車で戻って電車の外観を撮影するというのが基本スタイルになります。
ただ、電車が時刻通りに来ないこともありますので、なかなか予定通りには進みません。
リサーチで決めていたとしても全く違ったイメージになることも多く、何をどう撮るか、現地での判断が重要になります。
リサーチの段階からこうなったらいいなという編集イメージは持っているんですが、撮影している時のイメージがやっぱり一番大事ですね。
あとはラッシュで映像を見直した時に「ここはこういうテーマでいけるな」とか、「ここはこうやってまとめよう」とか考えて編集作業に入ります。
この番組では、ナレーションを書いて音楽を付けるのも、ディレクターの仕事なんです。
番組を見た方が、「あ、この景色いいな」とか、「この国に行ってみたいな」とか思ってもらえる様に、その国ならではの何か、あるいは旅ならでの何か、
心に引っかかる何かを2分の中に入れたいと思っています。
そういった鉄道以外の部分も楽しんでもらえているので、多くの方に見てもらえているのではないでしょうか。
視聴者の方には自由に見てもらって、見ている人それぞれに楽しんでもらえたら嬉しいです。
そのためには、電車のリサーチだけでなく、その国の歴史や地理、風土など基本的な知識の勉強が必要なんです。
中には今回行った旧ユーゴスラビアの様に、非常に複雑な歴史を持った国もあります。
その国をフラットに伝えるためには、まず自分が理解していないとナレーションも書けませんからね。
言ってしまえばただそれだけのことかもしれませんが、その中からいくつもの物語を作るためには、どういう風に物事を見ていくかということが大事なんです。
現場で見たもの、聞いたことを、どういう風に見たらこの場面は素敵なのか、この人の言っていることが胸に入ってくるのか。
そう考えていく中で、物事の見方の幅が広がりましたね。それはどんな番組をつくるにも役立つことなので、番組のつくり方の幅が広がったと思っています。
あとは、皆が知っている番組なので家族が喜んでくれていることでしょうか(笑)。
以前「NONFIX」という番組の中で、難病と闘う友人の姿を追ったドキュメンタリーをつくったことがありました。
彼の生きる強い力にもの凄く感銘を受けて、なんとかこれを伝えなくてはいけないと思ってつくり始めたのですが、放送後に視聴者の方からハガキが届いたんです。
その方は障害を持つ子供の親御さんで、大変な苦労をされているという事だったのですが、「番組を見てとても勇気付けられた」ということが書かれていました。
それを読んだ時に、これがテレビの力かなっていうのは思いましたね。
テレビは何かを変える力、言い換えれば何かを変えてしまう力があると思います。
とても危険なところがあると思いますが、それをちゃんと自覚して、少しでも良い方向に物事を変えていければいいなと思っています。
まだまだ未熟者ですので、これからもっと勉強して、ジャンルに拘らず、誠実な番組をつくりたいと思っています。
あとは、とんでもなくおバカな番組もつくってみたいですね(笑)。