クリエイターズインタビュー

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情報・バラエティ「探偵!ナイトスクープ」    ディレクターってどんな仕事?
ADの次のステップはディレクターだ。実際の制作現場を仕切る現場でのトップであり、通常は入社から数年のAD業務をこなし、知識や経験を吸収した後に「昇格」する。
今回は、関西の番組制作会社(株)クリエイティブ・ジョーズで『探偵!ナイトスクープ』ディレクターを勤める堀 弘明さんを取材。ADとしての入社からディレクターとしての現在までのお話しを聞きました。
堀 弘明さん写真僕の場合、他の人とちょっと違うのは「一度全く違う業種の会社で働いた後に、番組制作会社に中途入社した」という点ですね。大学を4年で卒業できると思ってなかったので、正直、就職活動を全くしてなくて、「留年すればいいか」なんて思っていたら単位が取れちゃったんです。
「こりゃ、就職しなきゃ!」と思い、とりあえず友達に誘われて受けた会社にさらっと入社が決まりまして…そう、最初は営業マンとしてある企業に一度就職したんですよ。
ただ、明確な動機がなく入った会社だったので、入社してすぐに「ほんま、俺の人生これでいいんかな?」と考える毎日でした。もちろん、自分なりには頑張って働きましたが、仕事に対する「面白さ」がどうしても見出せず、結局3カ月で退職しました。
そして塾講師や探偵のアルバイトをしながら再び就職活動を始めたんです。

会社を辞めたものの、特に「これがしたい!」というのはなくて、ただ「面白いことがしたいなあ」とインターネットで仕事を探してたら、某テレビ局の制作職募集を発見。「これ、面白いかも!」という気持ちで応募したら最終選考までいっちゃったんです。この最終試験が1ヶ月間インターンとしてテレビ局で働き、実際にテレビ番組を作るというものだったんですが、やり始めたら面白くて仕方がありませんでした。
最終的に、この某局は落ちたんですが(笑)、ここで番組作りの面白さに目覚めました。
そして、初めて「絶対にテレビの仕事がしたい!」という就職活動の明確な動機ができたんです。

じゃあ、どんな番組を作りたいか?と考えた時、一番最初に思い浮かんだのが『探偵!ナイトスクープ』だったんです。

堀 弘明さん写真実は僕、昔からテレビはそんなに好きじゃなかったんです。テレビ観てるくらいなら外で遊びたいという子供だったので。しかし、『ナイトスクープ』だけは別格で、小学生の頃から毎週金曜日の夜は家族全員で観てましたし、番組が始まるといつの間にかテレビの前で正座して…というくらいの大ファンだったんです。それで、インターネットで「ナイトスクープ 制作会社」で検索したら「クリエイティブ・ジョーズ」という会社が作っているということがわかりました。

「テレビエグザム」にももちろん行きましたよ。大阪、東京共に行きまして、そこでウチの常務が話す講演を聞いたんです。1年目のADがどんな仕事をするかという内容で、『ナイトスクープ』のロケで「大便の度に涙を流すおじさん」の真偽を確かめるために、おじさんが隠れて大便出来るくらいの深い穴をスコップで地面に掘る…これもADの大切な仕事です、というものでした。それ聞いてますます「この会社に入りたい!」と思うようになったんです。

書類をもらってエントリーして一次面接、筆記試験…それから適正試験があり、最終面接という流れでした。最終面接では「とにかくオモロい事がしたいんです!」っていったのを覚えてますね。

試験の結果、面接官全員一致で堀さんの採用が決まる。ちなみにこの年の採用は堀さん一名。新卒者、中途も同時の採用試験だったが2年遅れでの「就職活動」ながら断トツのトップでの採用を勝ち取った。郵送で採用通知を受け取った堀さんはその喜びを伝えたくて居間で昼寝していたおばあちゃんを叩き起こして抱きしめて泣いたそうだ。おばあちゃんは「なんかようわからんけど、よかったね!」と励ましの言葉をくれたという。
堀 弘明さん写真
▲公開録画を盛り上げる「拍手~」
入社して最初についた番組は『探偵!ナイトスクープ』と『大阪ほんわかテレビ』のADでした。
ウチの会社では1年目はこれをセットでやるのがほぼ決まりになってまして。
うれしかったのは『探偵!ナイトスクープ』のADになり、小学生の頃から観ていた番組のエンドロールに名前が出たことですね。日本中に散らばっている友人に電話かけまくって「絶対観ろよ!」っていいました。それと、大失敗もしました。朝早く空港に集合して北海道へ行くロケに、寝坊して行けなかったんです(後便は満席)。しかも航空チケットも収録テープも僕が持っていましたので最悪の状況です。ロケはディレクター中心にスタッフの力で無事終えられましたが、番組も会社もクビかな…とすごく落ち込んでいるときに携帯電話が鳴りました。「お前が来て案内してくれへんかったから、空港で画びょう踏んでもうたやろ!」。間寛平さんからでした。これからは今以上に気持ちを入れて頑張ろうと涙がでました。

担当していた番組はどちらもロケのある番組ですから、日本中あちこちに行かせてもらいましたね。あ、そうそう沖縄から大阪空港へ戻ってきたら、特番のロケ手伝いが急に入ってきて、「とにかく今から大阪城まで来てくれ!」っていわれて、何もわかないまま大阪城に着いたら「今から姫路城まで走るから」って言われて(笑)。野々村真さんが姫路まで約100キロ、24時間以内に完走するっていう番組だったんですけどね、僕が走って先導しなきゃいけなかったんです。真冬でしたから、温暖な沖縄から長袖Tシャツ1枚で帰ってきていきなりマイナス2度ですよ! ちょうどその日は大寒でした…。面白かったですけど、こんな経験出来るのもこの仕事ならではですよね(笑)

『ホップ! ステップ!! シャンプー』っていう番組があるんですよ。よしもとの漫才コンビ「シャンプーハット」のお二人と作っている番組なんですが、面白いですよ。番組内容はシャンプーハットの2人が大阪の街を歩いてると、突然、おっちゃん、おばちゃんがプライベートなことをクイズで出題してくるっていう内容なんです(例えば、私の特技は何でしょう?、私の夫はどの人でしょう?とか)。もちろん、ロケまでに僕と街の人達とでクイズの内容を決めるわけですが、みなさんお仕事中にもかかわらず、「兄ちゃん、手つどうたろか?」「私らがいいネタ出さな、兄ちゃんいつまでも家帰れへんねやろ?」って。大阪人の優しさに触れられて、それが嬉しくて…ええ、たまに感動して泣くときもありますよ(笑)。

AD業務を一通りこなし、2年目でディレクターデビュー、最初は深夜番組内の商品紹介コーナーを任された。そして3年目の後半に念願の『探偵!ナイトスクープ』ディレクターに抜擢される。憧れの番組だっただけに堀さんにはプレッシャーが重くのし掛かった。最初の3本は多いに悩みながら作ったという。しかし4本目で爆笑を取り、後に番組内で行われたコンテストでは最優秀賞も受賞した。プレッシャーはこれではねのけた。
堀 弘明さん写真
▲収録後は編集室での作業となる
忙しいかどうかっていわれたら、1年目はそりゃホントに忙しかったです。ただね、それがまったく苦にならないほど面白いんですよ。今でも、たまに通帳見て「なんで給料振り込まれてるんだろう?」って思います。こんなに遊ばせてもらって給料くれるなんて…って(笑)。

大阪の番組制作会社だからこそのメリット? うーん…大阪出身のタレントや芸人さんといっしょに仕事をするときが多いですが本当にイイ人ばかりで。やはり、大阪の地元っていうんでモードが違うのかも知れませんけどね。変なピリピリした空気はないし、番組の収録も面白いし、いい意味で気を抜いてらっしゃる感じがしますね。ADの頃でも、数回しかあったことがない芸人さんが気軽に声をかけてくれたりとか。
そのあたりは東京と違うかも知れませんね。

逆にデメリットは…うーん、「ない」!(笑) 強いていえばどんなに面白い番組を作っても大阪ローカルでしか流れないものもあるっていうことかな。でもね、がんばれば全国で…っていうのも、ものすごいやる気にもつながりますけどね(笑)。


堀 弘明さん写真
堀 弘明さん
ディレクター
株式会社クリエイティブ・ジョーズ
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